診療支援
診断

男子性発育の異常
Disorders of Male Pubertal Development
小堀 善友
(獨協医科大学埼玉医療センター・リプロダクションセンター・准教授)

診断のチェックポイント

定義

❶思春期とは

人間が生殖器以外でも外形的性差が生じ,やがて生殖能力をもつようになり,性的に成熟し,心身ともに子どもから大人に変化する時期のことを指す。

一般的に,男児は精巣発育の開始が思春期の始まりとされる。この時期が早すぎる(思春期早発症)もしくは遅すぎる(思春期遅発症)ことが問題となりうる。

❷思春期早発症

男児の思春期早発症では,9歳未満で二次性徴が発来する。精子形成を伴うゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)依存性(中枢性)と,GnRH非依存性(末梢性の性ホルモン作用)とがある。

早期に骨端線が閉じてしまうために将来的に低身長になってしまう可能性があることや,幼い年齢で陰毛などが出現するために,本人や周囲が戸惑う心理的・社会的問題がある。

近年,思春期は過去と比較して早期に開始するようになってきており,従来の基準が再評価されている。

❸思春期遅発症

想定期に

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