子宮・卵巣の正常像
【1】超音波経腟走査法
❶一般に婦人科疾患の超音波診断には,超音波経腟走査法(以下,経腟超音波)が用いられる。
❷経腟超音波の特徴
■腟内に挿入した経腟プローブと,観察対象の子宮や卵巣の位置が近接していることから,高周波の超音波が用いられるため,高解像度の画像が得られる。
❸その反面,深部到達度が制限されるため,小骨盤腔を越えるような大きい腫瘤性病変の場合は,より低い周波数の超音波プローブが用いられる超音波経腹走査法に変更の必要がある。
【2】月経周期を有する性成熟期にある女性
❶月経周期に応じて変化する子宮内膜像が特徴的な超音波所見として観察可能である(図1図)。
❷卵巣は子宮の近傍に小腫瘤像として観察可能であり,子宮と同様に月経周期に応じて大きさが変化する発育卵胞と,排卵後では月経黄体が観察される(図2図)。
【3】閉経後の女性(図3図)
❶内性器は萎縮し,子宮の大きさは小さくなるとと