診断のポイント
【1】窒息の原因は,気道異物によるものの頻度が高いが,急性喉頭蓋炎やアナフィラキシーなどの喉頭浮腫や,頸部の血腫や腫瘍,絞頸などによる気道の圧迫が原因で起こる場合もある。
【2】窒息の原因によって急激な閉塞状態を一瞬で起こす場合と,徐々に気道狭窄が進行する場合に分かれ,それぞれ対応が変わる。
【3】気道異物の発生頻度は乳幼児,高齢者の順で高く,二峰性の分布を示す。
【4】乳幼児:口に物を含んだ後に,突然驚く,笑う,走って転倒することなどで異物を誤嚥する危険がある。突然の咳嗽,呼吸困難,喘鳴,チアノーゼ,意識障害などをみた場合は気道異物による窒息の可能性を考える。
【5】高齢者:嚥下反射や咳嗽反射が低下している場合や,餅・団子・こんにゃくなどの摂取時には窒息に注意が必要である。
緊急対応の判断基準
【1】異物が気道の部分閉塞と判断され,安定している場合:完全閉塞に移行しないように注意を払い