診療支援
診断

高血圧性脳症・PRES・RCVS
Hypertensive Encephalopathy, Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome and Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome
藤本 茂
(自治医科大学教授・内科学講座 神経内科学部門)

診断のポイント

 高血圧性脳症とは,血圧の異常上昇により脳障害が急速に進行し,治療の遅滞が非可逆的な脳障害や,時に致死的転帰を招く,高血圧性緊急症の一種である。頭部CT,MRIで後頭葉から頭頂葉,側頭葉にかけて両側大脳皮質に広がることが多く,その状態はRPLSあるいは可逆性後頭葉白質脳症(posterior reversible encephalopathy syndrome:PRES)とよばれる。

【1】急性発症の頭痛,悪心,嘔吐,視力障害,けいれん,意識障害などの脳症状を呈し,局所症状を欠く。

【2】多くは急速進行性の高血圧や悪性高血圧,子癇に合併してみられ,治療により血圧が低下すると症状が消失する。

【3】発症時の血圧は長期の高血圧患者では220/110mmHg以上,正常血圧者では160/100mmHg以上の場合が多く,血液脳関門の破綻が原因である。

【4】症状は器質的あるいは代謝性疾患では説

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?