診療支援
診断

Parkinson病
Parkinson's Disease (PD)
服部 信孝
(順天堂大学教授・神経学講座)

診断のポイント

【1】新たな診断基準

❶2015年にMovement Disorders Society(MDS)から新しい診断基準が発表された。Validation studyも報告され,従来のUK Brain Bankの診断基準と比べても特異度,感度ともに高く精度も改善されており,今後主流になるものと予想される。

❷わが国の「パーキンソン病診療ガイドライン2018」もこのMDSの診断基準を用いている。

【2】50~60歳以上,あるいは若年発症のParkinson病(PD)もまれではあるが存在し,遺伝性PDの可能性が高くなるので遺伝子診断することが大事である。最近は80歳以上で発症するケースもみられる。

【3】絶対的診断基準として寡動・無動が基本で,静止時振戦か筋強剛を少なくとも1つ伴う場合,診断を考える。これに加えて支持基準があり,以下の4項目のうち臨床的確定診断には2項目以上満たすことが必要である。

❶支持的基準(臨床的確定診断には2項目以上必要)

ドパミン補充療法が有効。

静止時振戦がある。

嗅覚障害とMIBG(131Iメタヨードベンジルグアニジン)心筋シンチグラフィの異常。

ジスキネジアがみられる。

❷除外基準:以下の基準により,臨床的に確実なPD(clinically established PD)とほぼ確実なPD(clinically probable PD)を診断できる。

絶対的除外基準:9項目があり,1つでも該当するとPDと診断できない。

相対的除外基準

10項目があり,3項目以上該当するとPDと診断できない。

2項目該当する場合は支持的基準を2項目以上満たす必要がある。

1項目の場合同様に1項目以上満たす必要がある)。

❸UK Brain Bankの診断基準から姿勢反射障害が外れた。

症候の診かた

【1】寡動・無動が存在し症状の左右差があることがポイントである。

【2】振戦は

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