診断のポイント
【1】幼児期以降の急性・慢性の肝障害,学童期以降の神経症状,思春期以降の精神症状。
【2】Kayser-Fleischer角膜輪。
【3】血清セルロプラスミンが20mg/dL以下。
【4】1日尿中銅排泄が100μg/24時間以上。
【5】肝臓の銅濃度が250μg/g乾重量以上。
症候の診かた
【1】肝機能異常:あらゆる年齢でのさまざまな肝機能異常で本疾患の可能性がある。
【2】神経症状:6歳以降に進行性の神経症状(言語障害,会話中の流涎,動作時または姿勢時の振戦が多い)では本疾患を疑う。
【3】精神症状:思春期以降のうつ症状,行動異常,情緒不安定などの精神症状では本疾患を疑う。
【4】Kayser-Fleischer角膜輪:認められれば,本症が強く疑われる(図1図)。
検査所見とその読みかた
【1】血清セルロプラスミン:10mg/dL以下では本症が強く疑われる。10~20mg/dLでも本症を鑑別し