診療支援
診断

レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
Restless Legs Syndrome(RLS)
竹内 暢
(睡眠総合ケアクリニック代々木・診療部長(東京都渋谷区))

診断のポイント

【1】レストレスレッグス症候群(RLS)の4徴

❶じっとしていられないほどの下肢の異常感覚。

❷夕方以降に強くなる,症状の日内変動。

❸安静時に異常感覚が悪化。

❹運動時に異常感覚が改善。

【2】RLSの補助項目

❶RLSの家族歴。

❷終夜睡眠ポリグラフ検査(nocturnal-polysomnography:n-PSG)で周期性四肢運動〔睡眠中にみられる反復性の足関節背屈運動(periodic legs movements during sleep:PLMS)〕の存在。

❸ドパミン系薬剤の少量投与による異常感覚の改善。

【3】診断基準(ガイドライン):国際レストレスレッグス症候群研究グループ(IRLSSG)によるRLS診断基準(2014年改訂)がある。

症候の診かた

【1】異常感覚の訴え:むずむず,虫がうごめく感じ,チクチク,熱をもっている,重だるいなど,きわめて多彩である。

【2】好発部位:脚であるが,体幹,上肢に及ぶことがあり,いずれも部位の表面ではなく,深部で起きていると訴えることが多い。

【3】症状の変動:日内変動があり,夕方から就床後の夜間帯に悪化するため,入眠困難を訴えることが多い。またその異常感覚は押す,叩く,もむ,歩くなどの刺激で完全に消失,または部分的に改善する。

検査所見とその読みかた

【1】重症度評価:国際レストレスレッグス症候群評価尺度(International Restless Legs Syndrome Rating Scale:IRLS)が一般的に用いられる。10の質問項目からなり,計0~40点で評価し,10点未満は軽症,10~19点は中等症,20~29点は重症,30点以上は最重症に分類される。

【2】血液検査:診断後,血清フェリチン測定は必須であるが,炎症性疾患が合併すると高値を呈することがあるため,TIBC,%鉄飽和度も同時に測定することが望ましい。フェ

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