診断のポイント
診断基準を表1図に示す。
【1】両側性白内障。40歳までに出現。
【2】四肢末梢の皮膚の萎縮・硬化(特に足部)。胼胝や鶏眼を好発し,難治性潰瘍を生じやすい。
【3】早老性毛髪変化(白髪や禿頭など)。
【4】軟部組織(アキレス腱など)の石灰化。
【5】鳥様顔貌(鼻や口先が尖って見え,鳥の嘴を連想させる)。
症候の診かた
【1】20歳前後より上記諸症状がみられるようになる。
【2】そのほか,低身長のことが多く,高調性の嗄声(甲高いしわがれ声)や体幹に比べて四肢が著しく細い,などの特徴がある。
【3】全身像を図1図に示す。
検査所見とその読みかた
【1】臨床所見から本症を疑った場合,アキレス腱のX線撮影で踵骨付着部近傍に石灰化を認めれば,ほぼ本症と診断できる(図2図)。
【2】高インスリン血症を伴う糖尿病や脂質異常症を,50%以上の症例で認める。
【3】四肢末梢の骨密度低下を示しやすい。
確定診断の決め手
【