国民の約半数が何らかのアレルギー疾患に罹患しており,国民病と称されている。2014年にアレルギー疾患対策基本法が公布,それに続きアレルギー疾患対策の推進に関する基本指針が2017年に告示された。すでに多くの都道府県において拠点病院が指定され,中心拠点病院(国立病院機構相模原病院,国立成育医療研究センター)と協調して診断困難例への対応,専門の医師やコメディカルの育成,市民への啓蒙といった施策が進められている。
アレルギー疾患は幅広い年代,複数の臓器に広がっていて,1人の患者が複数のアレルギー疾患を有することも多い。小児科,内科,耳鼻咽喉科,皮膚科,眼科が主に診ていくことになるが,患者にとって疾患ごとに通院先が異なると,情報が共有されないことが往々にして起こりうる。アレルギーの診療に当たる医師は,total allergistとして自身の専門領域以外についても知識をもつことが期待されている。