診療支援
診断

薬物アレルギー
Drug Allergy
中込 一之
(埼玉医科大学准教授・呼吸器内科・アレルギーセンター)

 わが国のアンケート調査では,3.6~7%で薬物アレルギー既往を有し,0.5%で重症型の既往があった。アナフィラキシーによる死亡の約半数は,薬物アレルギーによるとされている。

診断のポイント

【1】症状発現と薬剤との間に合理的時間関係があるか:通常,投与開始からアレルギー症状出現までに5日~1か月かかる。

【2】投与中止で症状が軽減したか。再投与された場合に症状が再発したか。

【3】アレルギー頻度の高い薬剤を投与したか。過去にその薬剤によるアレルギーが報告されているか。

【4】皮膚テストで陽性。

【5】アナフィラキシー例では迷走神経反射の除外。

緊急対応の判断基準

【1】アナフィラキシー

❶薬剤投与30分以内で,じん麻疹などの皮膚症状や,腹痛や嘔吐などの消化器症状や,呼吸苦などの呼吸器症状,血圧低下などの循環器症状,など全身症状を示すものと定義される。

❷皮膚症状は90%以上合併する。多くの場合,初めに皮膚症

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