診断のポイント

【1】眼・口腔乾燥症。

【2】抗SS-A抗体，抗SS-B抗体。

【3】腺組織(口唇腺，涙腺)の著しいリンパ球浸潤。

症候の診かた

【1】眼乾燥症(ドライアイ)(60～70％)：自覚症状は，涙が出ない，眼がゴロつく，眼が熱い，眼が疲れる，眼が充血するなどがある。

【2】口腔乾燥症(ドライマウス)(70～80％)：自覚症状は，口腔内の乾燥感・粘稠感・灼熱感・疼痛，飲水切望感，味覚異常，嚥下困難などがある。他覚所見として，口腔内乾燥・発赤，舌乳頭萎縮，溝状舌，口角びらん，う歯多数，耳下腺・顎下腺腫脹(30～50％)などを認める。

【3】腺外病変：関節痛/関節炎(30～50％)，Raynaud現象(20～30％)，リンパ節腫脹(30％)，発熱(10～30％：微熱が多い)の頻度が高い。また，全身臓器に多彩な病変をきたしうる(表1図)。

【1】一般検査：貧血，白血球減少，血小板減少は軽症が多い。高γ-グロブリン血症(60～80％)やクリオグロブリン血症(5～10％)も認める。赤沈亢進は認めるが，血清CRP上昇は少ない。

【2】免疫学的検査

❶抗SS-A抗体の陽性率は50～70％だが特異性は低い。

❷抗SS-B抗体の陽性率は20～30％だが特異性が高く診断意義が大きい。

❸抗核抗体は80～90％，リウマトイド因子は約70％で陽性となる。

❹抗SS-B抗体単独陽性はまれなので，抗SS-A抗体陽性の場合抗SS-B抗体を測定するのがよい。

❺抗核抗体陰性でも抗SS-A抗体は陽性となる。

【3】唾液分泌量測定：刺激時唾液分泌量測定法としてガムテスト，Saxonテストが，安静時唾液分泌量測定法として吐唾法がある。

【4】眼科検査：涙液分泌量測定をSchirmerテストで，角結膜上皮障害の評価を角結膜染色検査(フルオレセイン染色，リサミングリーン染色，ローズベンガル染色)で行う。

【5】口唇腺生