診断のポイント
【1】感染性心内膜炎(IE)の診断は,敗血症に伴う臨床症状,血液中の病原微生物(原因菌)の確認,疣腫をはじめとした感染に伴う心内構造の破壊の確認に基づいてなされる。
【2】発症素因,発症契機,症状,画像診断,血液培養所見,臨床経過などを総合して診断を確定する。
【3】IEの診断には,修正Duke診断基準を用いる(表1図)。
【4】修正Duke診断基準は臨床基準と病理学的基準からなり,臨床基準はさらに,血液培養所見と心エコー図所見からなる大基準と,5つの臨床所見からなる小基準に分かれる。
【5】満たす項目とその数により,確診,可能性,否定的と判断される。
症候の診かた
IEの臨床経過は多彩であり,急速に心不全が悪化する例から,慢性の経過をたどる例もある。慢性例では発熱が軽微で,IE特異的な症状が少なく,心不全症状も軽い。発熱や振戦などの急性炎症に由来する症状や食欲不振および体重減少,易疲