診療支援
診断

中毒起因物質の分析
Analytical Determination of Poisonings in Biological Materials
清田 和也
(さいたま赤十字病院・副院長/高度救命救急センター長)

診断のポイント

【1】主として血液・尿を検体とする。

【2】定性検査と定量検査がある。

【3】保険適用となっている物質は限定的である。

【4】日本中毒学会では分析が有用な物質を提示している。

症候の診かた

 分析可能なものは限られているため,病歴やトキシドローム(中毒症候)を参考に,中毒起因物質を考える。

検査所見とその読みかた

【1】分析対象薬物の推移

❶日本中毒学会は,1998年に全国的に多発した毒物混入事件を契機に,分析が有用な物質について15品目を提示した。高速液体クロマトグラフ法やガスクロマトグラフ法などの機器による精密分析の方法も示された。

❷2003年からは鎮静薬,抗不安薬による中毒を除き,急性中毒患者の治療に分析などを利用した専門的管理を行うことで,高度救命救急センターにのみ5,000点の入院料加算が認められた。

❸2014年の改定では,救命救急センターに拡大され,急性薬毒物中毒加算1(機器分析

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