診断のポイント
【1】数週間~数年間続くうつ病および躁病のエピソードが複数回出現し,各エピソード間に病的ではない時期がある。
【2】エピソードの出現周期は規則的(数か月あるいは数年おき)なときもあるが,不規則なときも多い。
【3】約3分の2の患者ではうつ病エピソードで発症するため,発症初期はうつ病として診断され,確定診断には数年を要することが多い。
【4】躁病エピソードのみ反復して,うつ病エピソードが出現しないこともまれにある。
【5】入院しないほどの,あるいは日常生活に著しい障害を与えないほどの軽い躁病は軽躁病とよばれる。うつ病エピソードが出現したことがなくて,軽躁病エピソードのみのときは双極性障害と診断できず,疑い診断にとどまる。
緊急対応の判断基準
【1】1)うつ病が重症で,病識がなくなり,治療を受けられないとき,2)悲観的,絶望的な気持ちが強くなって希死念慮が強くなったとき,3)自殺をはかったと