診療支援
診断

じん麻疹,アナフィラキシー
Urticaria and Anaphylaxis
森田 栄伸
(島根大学教授・皮膚科)

診断のポイント

【1】あらゆる年齢にみられる。

【2】一過性に紅斑性皮疹(膨疹とよばれる)が多発する。

【3】かゆみを伴う。

緊急対応の判断基準

【1】血圧低下などショック症状を伴う場合,アドレナリン投与,輸液を行う。

【2】全身に及ぶ堪えがたいかゆみがある場合,抗ヒスタミン薬の静脈内投与を行う。

症候の診かた

【1】膨疹の持続時間を確認する。個々の皮疹が短時間に形が変わる,あるいは1日以内に消退することを確認する(図1)。

【2】膨疹の形態を観察し,米粒大,地図状,環状,線状などを区分する。

【3】かゆみの程度を確認する。

【4】皮疹の出現時に誘因があるかどうかを確認する。

【5】血圧低下などショック症状の有無を確認する。

検査所見とその読みかた

【1】皮膚描記:陽性であれば機械性じん麻疹と診断する。

【2】アイスキューブテスト:陽性であれば寒冷じん麻疹と診断する。

【3】発汗誘発試験:発汗とともに小形の膨疹が誘発さ

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