診断のポイント
【1】新生児期から,軽度の外力によって,ほぼ全身の皮膚,粘膜に水疱,びらんを生じる。
【2】皮膚症状以外に,幽門閉鎖,筋ジストロフィー症状を合併することがある。
【3】遺伝性疾患であり,家族内に同症があることがある。
【4】水疱やびらんは繰り返し生じ,その後潰瘍を形成し,瘢痕や萎縮を残すことがある。
症候の診かた
【1】水疱・びらん:外力を受けやすい部位に生ずる。水疱は表皮真皮境界部に形成され,水疱形成部位によって,大きく単純型,接合部型,栄養障害型の3型に大別される(表1図)。
【2】瘢痕
❶単純型:水疱が基底膜より浅い表皮内に形成されるため,瘢痕は作らずに治癒する。
❷接合部型:基底膜内に水疱が形成される接合部型は,水疱形成後に萎縮を残す。
❸栄養障害型:水疱が真皮内に形成されるため,その後に瘢痕や稗粒腫を残す(図1図)。
【3】癒着:栄養障害型,特に劣性栄養障害型では,水疱やびらん発生後に
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