診断のポイント
【1】青壮年期以降の顔面のいわゆる「赤ら顔」。
【2】一過性潮紅(flushing)が持続する。
【3】ステロイド外用薬による症状の増悪(酒皶の増悪)や誘発(酒皶様皮膚炎)。
【4】鼻形態の変形(鼻瘤)や眼症状(結膜炎など)を合併することもある。
症候の診かた
【1】青壮年期以降の顔面頰部と眉間部を中心とした紅斑に丘疹が混在する(図1図)。痤瘡と異なり,面皰はない。
【2】外気温や感情の変化,アルコールや香辛料が利いた食事などによる顔面血流増加に伴う一過性潮紅が10分以上にわたり比較的長く持続する。
【3】鼻瘤では,鼻部の毛細血管拡張とともに,丘疹から小結節を形成して鼻形態の変形をきたすことがある。
検査所見とその読みかた
【1】ダーモスコピー観察:毛包脂腺を囲む紅斑と不規則な毛細血管拡張が確認される(図2図)。
【2】IgE検査,特異的IgEスクリーニング検査(View39やMAST36検査)
❶日本人は花粉症の合併例が多く,アレルギー要素の合併と花粉皮膚炎による酒皶増悪の可能性を検討する。
❷特異的IgEの存在自体は酒皶の診断を否定するものではないが,顔面皮膚炎の季節的変動などを参考にアレルギー性皮膚炎の合併や除外を総合的に判断する。
確定診断の決め手
【1】酒皶の診断指針の4主症状として,顔面中央部における1)一過性顔面潮紅,2)持続性紅斑,3)丘疹と膿疱,4)毛細血管拡張が提唱されている。
【2】検査値などで酒皶の診断基準となるものはない。
誤診しやすい疾患との鑑別ポイント
以下の疾患は酒皶に合併することも多いので,必要に応じて検査などを行う。
【1】接触皮膚炎(→):香粧品や毛染めによる悪化を確認する。
【2】花粉症・花粉性皮膚炎:総IgE測定や特異的IgE検査スクリーニング(MAST33,MAST36,View39)を行い,患者背景を把握する。
【3】光線過敏症(→):光線テストで確認
関連リンク
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