診療支援
診断

流行性角結膜炎
Epidemic Keratoconjunctivitis
佐伯 有祐
(福岡大学講師・眼科学教室)

診断のポイント

【1】両眼性の著明な充血,漿液性の眼脂,眼痛を伴う結膜炎。

【2】片眼に発症後,数日を経てもう片眼に発症。

【3】家族内発症あり。

【4】学校・職場において発症あり。

症候の診かた

【1】結膜充血

❶眼瞼結膜・眼球結膜に著明な充血を認める。

❷詳細な観察にて結膜濾胞ならびに結膜出血を認める(図1)。

【2】眼脂

❶眼脂は漿液性であり,黄色膿性の眼脂は細菌性結膜炎もしくは細菌感染の合併を疑う。

❷重症例では特に上眼瞼結膜に白色の膜状物である偽膜を生じる。

【3】リンパ節腫脹:耳前もしくは顎下リンパ節の腫脹をしばしば併発する。

【4】眼外症状として咽頭炎,発熱,血尿,腹痛,下痢などを伴うが,これらの症状がそろわないことも多い。

検査所見とその読みかた

【1】アデノウイルスキット(イムノクロマト法)

❶アデノチェック®,キャピリア® アデノ アイなどがある。

❷点眼麻酔を行い,綿棒で結膜を擦過し,採取した検体を

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