診断のポイント
【1】眼科疾患だけではなく糖尿病,高血圧症や血液疾患などの全身疾患や外傷などで生じることも多い。
【2】一般に高齢者に生じることが多いが,原因疾患によっては年齢に関係なく生じうる。
【3】出血部位や出血量などにより,必ずしも視力低下をきたさないものもあるため注意が必要である。
【4】眼底出血の種類には代表的な例として網膜前出血,網膜出血,網膜下出血,硝子体出血や脈絡膜(上腔)出血などがある。
【5】これらの眼底出血は,眼底検査により比較的容易に診断することが可能である。
緊急対応の判断基準
【1】眼底出血の出血部位によっては緊急の処置や手術を必要とするものもあるため,特に高度の視力障害を生じているものについては,専門医への早急なコンサルトが必要である。
【2】原因疾患によっては短期間に所見が変化するものもあるため,眼底写真撮影が可能な施設は記録に残し,紹介時に情報提供として添付するとよい。