診療支援
診断

■耳鼻咽喉疾患の最近の動向
猪原 秀典
(大阪大学大学院教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)


 耳鼻咽喉科が扱う領域は解剖学的に,耳,鼻・副鼻腔,口腔・咽喉頭,唾液腺・甲状腺に大別され,これら領域には機能性,免疫性,感染性,あるいは腫瘍性などの多彩な疾患が発生する。耳の領域における最近の動向として最も注目すべきは,2017年にLancet誌において「予防できる要因のなかで,難聴は認知症の最も大きな危険因子である」と報告されたことである。こうしたなか,2018年に「急性感音難聴診療の手引き」が日本聴覚医学会の編集により満を持して出版された。突発性難聴,急性低音障害型感音難聴が明確に定義され,診断の流れや治療指針が示されたことは日常臨床に大いに役立つものと思われる。めまいに関連しては,2017年にバラニー学会で診断基準が策定されたpersistent postural-perceptual dizziness(PPPD)が,持続性知覚性姿勢誘発めまいとして本邦へも紹介された。これは慢性

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