診断のポイント
【1】嚥下時違和感,咽頭痛で発症し,進行すると嚥下困難や構音障害。
【2】頸部腫瘤が初発症状のことも多い。
【3】飲酒歴,喫煙歴,性交渉が関連する。
【4】50~60歳台の男性に多い。
【5】ヒトパピローマウイルス(HPV)関連癌はより若年層に発症する。
緊急対応の判断基準
基本的には緊急搬送の必要はないが,以下の場合,早急に耳鼻咽喉科専門施設へ移送する。
【1】呼吸困難
【2】咽頭出血
症候の診かた
【1】咽頭症状:早期の段階では,嚥下時の違和感や咽頭痛などの非特異的な症状を呈する。
【2】頸部腫瘤
❶原発巣の症状がなく,頸部リンパ節腫脹のみを訴えることも多い。上・中頸部が多く,両側性のことも多い。
❷亜急性の経過で,痛みを伴うことは少なく,硬い,あるいは周囲との癒着のため可動性が悪いものが多い。
❸安易な頸部腫瘤の生検は厳禁で,まず原発巣の検索を優先する。
【3】HPV関連中咽頭癌は原発巣は小さくて