前立腺炎様症候群としては,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群を想定して記載する。
診断のポイント
【1】20歳以上の男性。
【2】骨盤痛(会陰,陰囊,尿道,大腿)と頻尿・排尿時不快感。
【3】他疾患を除外する(除外診断)。
【4】慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群として米国国立衛生研究所慢性前立腺症状スコア(NIH-CPSI)でスコア化。
緊急対応の判断基準
上記の症状に,発熱,膿尿,直腸診での前立腺の腫脹・熱感を認めた場合は,急性細菌性前立腺炎を念頭におき,排尿状態の確認,血液検査,細菌学的検査,抗菌薬投与などが必要になる。
症候の診かた
【1】特徴的症状:下腹部から会陰,陰囊,尿道など,陰部を中心とした疼痛ないしは不快感のほかに,頻尿,排尿時不快感などの排尿症状や射精時痛など多岐にわたる。
【2】他疾患の除外:尿路性器および骨盤内感染症,肛門周囲疾患,前立腺肥大症,骨盤内悪性疾患,精神疾患などとの鑑別を要し,