診療支援
診断

膀胱腫瘍(膀胱癌)
Bladder Tumor (Urinary Bladder Cancer)
篠原 信雄
(北海道大学大学院教授・腎泌尿器外科学教室)

診断のポイント

【1】血尿(無症候性肉眼的血尿,顕微鏡的血尿)。

【2】膀胱刺激症状。

【3】喫煙歴。

【4】超音波検査による膀胱腔内に突出する腫瘤影。

【5】尿細胞診陽性。

緊急対応の判断基準

【1】膀胱タンポナーデ:膀胱内に大量の凝血塊が溜まり尿閉状態となった場合,膀胱洗浄あるいは経尿道的膀胱止血術が必要となるので,泌尿器科専門医のいる施設に転送する。

【2】腎後性腎不全

❶大きな腫瘍によって両側尿管口が閉塞すると腎後性腎不全となる。

❷血清クレアチニン値の著明な上昇と超音波検査で両側水腎症を認めた場合には,泌尿器科専門医のいる施設に転送し腎瘻造設術などを行う。

症候の診かた

【1】血尿

❶最も一般的な症状で,肉眼的血尿と顕微鏡で尿沈渣をみて発見される顕微鏡的血尿とがある。

❷血尿を認める場合10~30%で膀胱癌がみつかる。

【2】膀胱刺激症状:頻尿,排尿するときに痛みがあるなど膀胱炎のような症状がなかなか改善しな

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