診断のポイント
【1】通常の性交を行うも1年以上妊娠の成立をみない状態を不妊症という。
【2】全カップルの15~20%は不妊症であり,男性因子はその約半数を占める。
【3】陰部の診察,精液検査および内分泌学的検査により診断される。
【4】乏精子症や精子無力症,無精子症に分類される。
【5】勃起障害や射精障害などの性機能障害も含まれる。
症候の診かた
【1】特記すべき既往歴:停留精巣,精巣外傷,ムンプス精巣炎,精巣上体炎,脳下垂体手術,抗癌剤治療,鼠径ヘルニア手術,精管切断術,囊胞性線維症および内服薬(最近は増毛剤などが多い)などの既往の聴取は原因精査において重要である。
【2】精巣萎縮
❶Klinefelter症候群などでは5mL未満の症例も多く,本人が萎縮精巣を自覚していることも多い。
❷オーキドメーターや超音波検査が行われるが,平均的には20mL前後であり,12mL未満で萎縮傾向ありと診断する。
【3】精索