診療支援
診断

卵巣腫瘍
Ovarian Tumor
斎藤 元章
(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター産科婦人科学・講師)

診断のポイント

【1】内診。

【2】経腟超音波・MRI・CT。

【3】組織学的多様性。

【4】あらゆる年齢。

【5】腫瘍マーカー。

緊急対応の判断基準

 緊急手術が必要となるのは,卵巣腫瘍茎捻転や破裂の場合である。特に茎捻転の場合が多いと思われる。主訴としては,突然の激しい腹痛である。

【1】内診・超音波検査を施行し,圧痛を伴う卵巣腫瘍を認めた場合,卵巣腫瘍茎捻転や破裂の疑いがある。

❶茎捻転の場合:5cm以上の大きさの卵巣腫瘍で頻度が高くなる。

❷卵巣腫瘍の破裂の場合:多くは,子宮内膜症性卵巣囊腫(チョコレート囊胞)であり,問診も重要となる。

【2】一般的には,鎮痛薬を投与しても無効の場合が多いので緊急性の判断基準の一助となる。

【3】採血では炎症反応は遅れて上昇してくることが多いので,あくまでも身体所見を優先する。

症候の診かた

【1】腹痛:卵巣腫瘍の茎捻転,破裂,感染,周囲臓器への浸潤のために起こることが多い。

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