診療支援
診断

非典型的な性分化・性成熟の女性
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Atypical Sexual Differentiation and Maturity in Female Patients
石原 理
(埼玉医科大学教授・産婦人科学)

診断のポイント

【1】婦人科を受診するきっかけは思春期における月経の未発来が多い。ただし,出生時に非典型的外陰部所見のある場合,小児科などですでに診断される。

【2】類似する身体所見を示す多種疾患の系統的鑑別が重要。

【3】46XX以外に,性染色体異数性のある場合(Turner症候群),また,身体的・社会的性別と異なる性染色体をもつ場合(XY female)が含まれる。

【4】身体所見はさまざまなため,予見をもたずに診察や必要な検査を遂行する。また染色体検査は,診断上不可欠である。

【5】多様な患者1人ひとりの利益を考慮した診断とカウンセリングが必要で,特に将来の生殖可能性につき慎重に情報を提供する。

症候の診かた

【1】原発性無月経

❶性腺形成不全がある場合はほぼ必発で,多くの場合,受診の動機となる。

❷腟閉鎖や子宮腟欠損症(Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser症候群で機能性子宮が

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