診療支援
診断

不妊症
Infertility
梶原 健
(埼玉医科大学教授・産婦人科)

診断のポイント

【1】日本産科婦人科学会の定義では,「避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず,妊娠の成立をみない場合」(一般的には1年間)。

【2】米国生殖医学会(ASRM)でも,不妊症と診断される期間については「1年」としているが,カップルのどちらか,もしくは両者に明らかな不妊原因が存在している場合は,不妊期間の長短にかかわらず,不妊症と診断してよいとしている。

緊急対応の診断基準

 不妊症では緊急対応が必要な場合はないが,以下の場合は生殖補助医療技術(assisted reproductive technology:ART)などの加療が必要なので不妊治療専門施設にすみやかに紹介する。

【1】両側卵管の通過障害が存在している場合。

【2】無精子症または高度の乏精子症,精子無力症,奇形精子症。

【3】女性年齢が42歳以上。

【4】諸検査で不妊原因が明らかでなく,長期間不妊である症例。

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