診療支援
診断

前置胎盤
Placenta Previa
長谷川 潤一
(聖マリアンナ医科大学准教授・産婦人科学)

診断のポイント

 妊娠20週以降の経腟超音波検査で内子宮口を覆う胎盤所見で診断する。

緊急対応の判断基準

【1】前置胎盤の診断がついていて,自宅で出血した場合は直ちに来院させ,入院管理とする。出血量が多いと判断した場合は救急車を要請してもよい。

【2】少量の出血であれば入院安静での自然止血を期待する。コントロールが不良な出血を止めるには帝王切開しかない。

【3】自施設で前置胎盤の手術および新生児管理ができない場合は,緊急帝王切開は予測不能であるため,直ちにそれらが可能な施設に搬送する。

症候の診かた

【1】警告出血

❶前置胎盤の診断後初めての少量の出血を警告出血とよび,今後多量出血になる可能性があると考える。

❷警告出血がなく,最初から多量出血となることもある。

【2】子宮収縮:前置胎盤に子宮収縮が起こると子宮口が開くため,出血する可能性が高くなる。なるべく安静を指示する。

検査所見とその読みかた

【1】出血がな

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