診断のポイント
妊娠反応が陽性である女性患者において以下の所見を認める。
【1】子宮腔内に胎囊を確認できないand/or子宮腔外に胎囊を認める。
【2】急性腹症を示す。
【3】ショック症状(頻脈,低血圧,意識低下)を示す。
【4】多量の腹腔内貯留液を認める。
【5】流産手術摘出物に絨毛が確認されない。
緊急対応の判断基準
【1】ショックである場合,多量の腹腔内出血を認める場合は,緊急手術を要する。
【2】自施設で対応できなければ,直ちに緊急手術,輸血が可能な施設への搬送を考慮する。
症候の診かた
【1】最終月経からの週数,性器出血の有無,腹痛の有無に注目すべきである。
【2】性器出血を患者本人が月経と思い込んで妊娠を想定していないこともあるので注意が必要である。すなわち本人申告の最終月経をうのみにしてはいけない。
【3】予定月経の頃に少量出血,基礎体温の低下がみられることも多く,不妊治療中の患者に対して次周期の卵