診断のポイント
【1】ほぼすべての新生児で呈する。
【2】生後2~3日目から肉眼的可視黄疸が出現。
【3】生後4~6日頃にピーク。
【4】以降漸減して生後7~10頃に自然に消退。
【5】血中直接型ビリルビン(direct bilirubin:DB)は上昇しない。
緊急対応の判断基準
【1】生後24時間以内に出現する可視黄疸〔血清総ビリルビン(total bilirubin:TB)5~7mg/dL以上〕。
【2】血中TBの急速な上昇(TB 5mg/dL/日以上)。
【3】高ビリルビン血症(図1図,表1図,2図の基準値を超える場合)。
【4】血中DBの上昇(DB 2mg/dL以上)。
【5】早産児の場合,生後2週間以上持続する黄疸。
症候の診かた
【1】視診による黄疸の評価:評価者によるばらつきが大きく,正確性に欠ける。特に早産児では重度の高ビリルビン血症を過大・過小評価することがある。
【2】急性ビリルビン脳症の症状:黄疸の増強に伴い,弱い啼泣,哺乳力や活気の低下,筋緊張の低下の症状がある場合は,直ちに治療を行う。
検査所見とその読みかた
【1】スクリーニング検査
❶経皮黄疸計による経皮ビリルビン値とTBは一般に相関しているため,有用なスクリーニング検査となる。
❷ただし,出生体重1,500g未満の早産児,光線療法中や中止後24時間以内,経皮ビリルビン値が15mg/dL以上の場合は,血中TBを過小評価する場合がある。
【2】血中ビリルビン値に基づく治療適応基準
❶ビリルビン脳症の発症予防のため,わが国では1980年代より出生体重と日齢によるTBに基づく光線療法の基準(村田・井村の基準;図1図)とTBとアンバウンドビリルビン(unbound bilirubin:UB)に基づく光線療法・交換輸血の基準(中村の基準;表1図)が頻用されてきた。
❷最近,神戸大学が中村の基準を改訂したTBとUBに基づく早産児のための治療適応基
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