【定義】
感情鈍麻とは感情反応性の低下による感情生活の平板化,貧困化を指す.通常,表情や話し方といった患者の表出を通じて,感情表現や情動的反応の乏しさが客観的に判断される.感情の平板化flattening of affect,感情の浅薄さshallowness of affect,情動鈍麻emotional blunting,情動反応の鈍麻blunting of emotional responses,無感情apathyともよばれる.DSM-5では新たに「情動表出の減少diminished emotional expression」とよばれる.感情鈍麻はさまざまな原因による認知症,器質性パーソナリティ障害,精神作用物質使用による残遺性パーソナリティ障害,そして統合失調症にみられる.この症状は器質性の病態では原則として非可逆的な変化として生じるのに対し,統合失調症では必ずしも非可逆的ではない