◆疾患概念
【定義・病型】
季節性感情障害は,多くの場合は,秋冬期にエピソードが増悪・再発し,春夏期に寛解する季節性の感情障害である.まれに,夏期に反復するエピソードのあるタイプもある.1980年代より感情障害の一亜型として提唱され,DSM-Ⅳでは気分障害の「季節型」の特徴をもつものとされた.DSM-5では抑うつ障害群と,双極性障害および関連障害群の各々の特定用語「季節型」に2分類されている.エピソードの発症と寛解は,少なくともある2年間に季節的関係をもち,同一期間内には非季節性エピソードがなく,生涯を通じてのエピソードの回数が,季節性が非季節性よりも十分に多くなければならない.季節性の心理社会的ストレス因(例:季節性の失業や学校の予定)によって説明できるときは適応されない.症状の特徴は,うつ病エピソードが非定型症状で,気力減退,過眠,過食,体重増加,炭水化物渇望などがあるが診断に必須ではな