◆疾患概念
【定義・病型】
離人症depersonalizationは,統合失調症,うつ病,心的外傷後ストレス障害(PTSD),パニック障害,物質依存,極度のストレス時,疲労状態など,さまざまな疾患や病態において見いだされる非特異的な症状であり,離人症性障害は離人症が全面的に前景に出ており,除外基準となる疾患の併存がないものをいう.
その特徴は意識において,知覚が統合されないことにあり,大きく外界意識の離人症と内界意識の離人症に分けることができる.前者は主に現実感喪失など「自己が外界を知覚する体験の変容」(例:景色に薄いベールがかかっているよう,景色が芝居の書き割りのように見えるなど)であり,後者は離人感,体外離脱体験,自己像視など「自己が自らを知覚する体験の変容」(例:自分が自分でないようである,自分をいつも上から見ているなど)である.
本障害は,DSM-5においては離人感・現実感消失症/