◆疾患概念
【定義】
非栄養物(通常食べ物とは考えられない)を食べることが継続する摂食異常を異食症という.異食の対象には土や粘土(土食症geophagia),氷(氷食症pagophagia),洗濯糊やコーンスターチ,毛髪(毛食症trichophagia),糞,金属,紙,布,ビニール,ガラス,ペンキ,灰などあらゆるものがなるが,個人的には異食の対象は限定されている場合が多い.なお,DSM-5の診断基準では,異食行為が少なくとも1か月以上持続すること,発達水準からみて不適切であること,文化的に容認される慣習でないことも必要である.一方ICD-10では小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害のなかに分類されている.
【病因・危険因子】
病因論は栄養,感覚生理,心理社会的要因,文化などさまざまな次元で論じられているが,そのメカニズムは不明な点が多い.一方,危険因子は以下のものがよく知られて