診療支援
治療

注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
attention deficit/hyperactivity disorder(ADHD)
渡部京太
(広島市こども療育センター)

◆疾患概念

【定義・病型】

 注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)の基本的特徴は,米国精神医学会のDSM-5に従うと,不注意,多動性,衝動性という3種類の主症状の存在によって定義され,神経発達症群に分類されている.DSM-5での大きな変更点は,自閉スペクトラム症autism spectrum disorder(ASD)とADHDとの併存を認めたことである.主症状が12歳未満に2つ以上の状況においてみられる場合に診断される.主症状の組み合わせから,「混合して存在(過去6か月間,不注意,多動性-衝動性を満たしている場合)」「不注意優勢に存在」「多動・衝動性優勢に存在」の3タイプに分類することは変わりないが,DSM-5では下位分類ではなくあくまで現在の表現型を示すのみになった.さらに症状および機能障害の程度により,重症度を3段階で評価することが新たに加わった.

【病態・病因】

 近年,遺伝

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?