診療支援
治療

自己抗体介在性急性可逆性辺縁系脳炎
autoantibody-mediated acute reversible limbic encephalitis (AMED-ARLE)
藤田浩司
(徳島大学大学院・臨床神経科学分野(神経内科))
湯浅龍彦
(鎌ヶ谷総合病院千葉神経難病医療センター・センター長)

◆疾患概念

【定義・病型】

 抗グルタミン酸受容体抗体を伴い非ヘルペス性かつ非傍腫瘍性の急性辺縁系脳炎を,自己抗体介在性急性可逆性辺縁系脳炎autoantibody-mediated acute rever-sible limbic encephalitis(AMED-ARLE)という.類似の臨床を呈する疾患として抗NMDA受容体脳炎がある.後者は当初,卵巣奇形腫ovarian teratoma(OT)を伴う傍腫瘍性脳炎という位置づけだったが,現在では半数以上でOT陰性とされている.OT陰性例の臨床像はAMED-ARLEとほとんど同じである.

【病態・病因】

 AMED-ARLEの病態には,抗グルタミン酸受容体抗体がかかわると考えられる.具体的にはNMDA型グルタミン酸受容体(NMDA受容体)のサブユニットGluRε2(NR2B)に対する抗体(抗GluRε2抗体)である.一方,抗NMDA受容体脳炎

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