診療支援
治療

抗パーキンソン病薬による精神症状
psychiatric symptoms induced by antiparkinsonian medicine
丸山哲弘
(まるやまファミリークリニック・理事長(長野))

◆疾患概念

【定義・病型】

 抗パーキンソン病薬によって出現する精神症状を総称して「抗パーキンソン病による薬剤性精神障害」という.パーキンソン病は運動障害以外に非運動障害の1つとして精神障害を呈する疾患である.パーキンソン病の精神障害は疾患自体によって呈する,つまり中枢神経系の変性・脱落などの器質的変化によって生じる内因性と,抗パーキンソン病薬の有害事象として出現する外因性の2つがある.これら2つの病態ははっきり区別することは困難であるが,おおむね前者が20%,後者が80%といわれている.抗パーキンソン病による薬剤性精神障害は,薬剤起因性精神障害,レボドパ起因性精神障害,抗コリン薬起因性精神障害,ドパミン作動性精神障害といわれることもある.

 抗パーキンソン病薬によって出現する精神症状は,幻覚や妄想などの精神病が主であるが,最近punding(常同行動の1つで,病的物集めなど意味のない行為を固執

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