●病態
・異物が気道に停留するために,気道狭窄・閉塞や気道炎症をきたす.
・気管支異物は,数日以上の無症状期を経て,気道浮腫や異物の膨張により無気肺・肺炎をきたす場合がある.途中経過の症状がなく・身体所見が正常であっても気道異物を否定できない.
・異物が声門部にあれば,嗄声を生じうる.
・チェックバルブは,呼気時に気管支が収縮し吸気を排出できないために生じ,胸部X線検査で患側は過膨張となる.
・乳幼児や脳性麻痺などの児に生じやすく,診断はしばしば遅れる.問診で,食事中に急に咳き込み始めた場合は気道異物を疑い,原則的に気管支鏡の適応である.気管支喘息,クループ,肺炎疑いの症例でも,治療反応に乏しい・経過が合わない場合などは気道異物を鑑別診断にあげる.
●治療方針
窒息・窒息しかかっている場合は救命処置をすみやかに開始する.気道異物を疑う症例では,すみやかな気管支鏡検査による確定診断と異物の摘出が基本であ