小児における栄養管理の方法は,経腸栄養と経静脈栄養に大別されるが,消化管機能が正常である場合には,経腸栄養が第1選択となる.経腸栄養は経静脈栄養に比し,投与経路が生理的であり,カテーテル留置に伴う合併症も回避でき,またbacterial translocation(腸内細菌の生体内移行)や肝障害,腸管上皮の萎縮などが起こりにくいという利点もある.
A.投与経路
哺乳・経口摂取は,消化吸収機能面でも精神面でも最も生理的であることから,基本的には経口投与を第一に考慮する.
経口摂取に問題がある,もしくは病態などにより経口摂取が困難な場合で消化管が機能し,消化管の運動機能,消化吸収機能が部分的にも使用できる場合には,適切な注入部位からの経管栄養を検討する.
経管栄養の投与ルートとしては,経鼻胃管か経鼻空腸チューブがある.胃食道逆流が明らかな病態や胃排泄遅延が存在するために経胃投与が困難な場合には