A.概要・原理
血漿交換療法(PE)は,血液を血球成分と血漿成分に分離し,血漿成分を新鮮凍結血漿(FFP)やアルブミンなどと置換することで病因物質(自己抗体,免疫複合体など)の除去を行う治療法である.急性肝不全に対しては,FFPを用いたPEにて肝性脳症起因物質の除去に加え,大量の凝固因子補充を行う.
B.適応疾患
以下に保険適用がある疾患の一部を示す.疾患によって保険算定基準の実施回数が異なるので注意が必要である.
a)肝疾患:肝炎,肝不全
b)腎疾患:巣状分節性糸球体硬化症
c)膠原病:関節リウマチ,全身性エリテマトーデス
d)神経疾患:重症筋無力症,Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群,多発性硬化症
e)血液疾患:血栓性血小板減少性紫斑病,溶血性尿毒症症候群,血友病
f)皮膚疾患:天疱瘡,中毒性表皮壊死症,Stevens-Johnson(スティーブンス・ジョンソン)症候群