A.出血の種類
小児期に遭遇する出血は,年齢によっても頻度が異なるため,それぞれの時期に起こりやすい出血を把握することが大切である.多くの場合は鼻血など局所性の出血であるが,血管異常・血小板異常・凝固線溶系異常など止血機構に異常をきたすと全身性の出血の原因となる.これらを鑑別するため,血算やPT・APTTなどの凝固能検査は大切である.全身疾患による出血を認めた場合には,以下に述べる止血法にて処置しながら専門医とともに原疾患の治療にあたる.
出血の種類は出血をきたした血管により,以下のように分類される.
a)動脈出血:鮮紅色の血液が波打つように噴き出す
b)静脈出血:暗赤色の血液が持続的にじわじわ出る
c)毛細管出血:すりむいたときなどに血液が滲み出る
出血により循環血液量の20%が急速に失われると,出血性ショックをきたす.
B.止血法
出血部位の確認後,基本は圧迫止血法を行う.止血法としては