A.外傷(切創・挫創)に対する縫合処置
皮下組織より深部に及ぶ切創・挫創に対し創縫合を行う.
縫合法にはtape固定法と結紮糸やstapleを用いた皮膚縫合がある.比較的清潔で浅い傷(血流のよい小児の顔面損傷など)にはtape固定法が適しているが,創部の安静が保てない部位(眼瞼,関節部など)や浸出液が多い創にはtape固定法は適さず,皮膚縫合を考慮する.
頭部外傷で特に頭髪部の創傷では治癒後の創瘢痕が目立たないため,stapleによる創縫合が適している.ただし感染創では洗浄を行い,咬創(犬・猫など)など感染リスクの高い外傷では開放創とする.また顔面や会陰部外傷など受傷部位によっては全身麻酔下での処置が望ましい場合があるため,小児外科・形成外科・外科へのコンサルトが必要である.
創癒合が完成すれば,なるべく早期の抜糸(stapleでは抜鈎)を目指す.創傷治癒はおおむね約7日間を要するため,抜