診療支援
治療

新生児出血性疾患
bleeding disorders of the newborn
西久保敏也
(奈良県立医科大学附属病院総合周産期母子医療センター新生児集中治療部門・病院教授)

Ⅰ.ビタミンK欠乏症(vitamin K deficiency)

●病態

・ビタミンK(VK)依存性凝固因子(血液凝固第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子)の欠乏による凝固障害.

・症状は,①生後7日以内は消化管出血(吐血や下血),②新生児期以降は頭蓋内出血が大部分を占める.

●治療方針

 VK欠乏症を疑えば,血液凝固検査の採血後,直ちに治療を行う.

Px処方例 ➊➋のいずれかを用いる.最重症例や超低出生体重児では➌➍を併用する.

➊ケイツーN注 1回1~2mg 静注

➋ケイツーシロップ(0.2%) 1回1mL(成分量として2mg)を滅菌水で10倍に希釈 1日1回 経口

➌新鮮凍結血漿-LR(FFP-LR) 1回10~15mL/kg 2~3時間かけて点滴静注

➍PPSB-HT注 (第Ⅸ因子量として)1回25~50IU/kg 緩徐に静注

A.VK欠乏症予防法

 乳児VK欠乏症は予防が重要である.

Px処方例 ➊➋のいずれかを用

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