診療支援
治療

形態異常を中心とした先天異常,遺伝性疾患の診断の進め方
diagnosis for congenital anomalies and genetic disorders
小崎里華
(国立成育医療研究センター遺伝診療科・診療部長)

●病態

・出生時に存在する形態的・機能的異常を先天異常と称する.先天的な原因(遺伝子異常・染色体異常)や胎児の発生過程によって生じたものをすべて含む.

・先天異常が,身体に1つ認められる場合と複数個認められる場合に大別する.複数個認める場合には症候群を推定し,遺伝学的検査によって確定することができる.

・先天異常の原因を明らかにすることは合併症の早期発見・治療,長期的な予後,次子の再罹患率の予測に直結し,患者・家族のQOLの向上に貢献する.

●治療方針

 全身の詳細な形態異常の診察においては,大奇形のみならず小奇形についても先天異常症候群の診断の重要な手がかりになる.所見の取り方の詳細は成書を参考にされたい.

 先天異常の原因は,単一遺伝子の変異・染色体異常・環境要因に大別される.ただし,明らかな原因が不明の場合が半分以上(65~70%)を占める.疾患の原因を想定しながら検査方針を検討する.

A.単一遺

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