診療支援
治療

1p36欠失症候群
1p36 deletion syndrome
武田良淳
(長野県立こども病院遺伝科・部長)

●病態

・成長障害,発達遅滞,てんかん,先天性心疾患,真っすぐな眉毛などの特徴的顔貌を主症状とする.5,000~10,000出生に1人の頻度で発症し,男女比は1:2と女児に多い.

・1番染色体短腕端部(1p36)領域の部分欠失が原因であり,約半数が端部欠失,ほかに中間部欠失,染色体再構成,派生染色体に由来する.欠失は多くの場合G分染法では検出されず,1pサブテロメア領域特異的プローブを用いたFISH法が診断に有用である.一部の微細欠失例ではマイクロアレイ染色体検査で診断が可能な場合がある.

・鑑別疾患としてPrader-Willi(プラダー・ウィリー)症候群やAngelman(アンジェルマン)症候群などがあげられる.

●治療方針

 根本的な治療法はなく,合併症に対する対症療法と総合的な療育支援が中心である.

A.成長障害,摂食困難

 成長障害はほぼ全例に認められ,筋緊張低下や口蓋異常に伴う摂食困難のため

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