●病態
・ガラクトース(Gal)は肝でUDPグルコースへと変換されるが,この経路の先天的酵素活性欠損により生じる疾患をガラクトース血症という.
・血液中Galが高値となる状態を「高ガラクトース血症」と称するが,この原因にはガラクトース血症以外にも門脈体循環シャント,シトリン欠損症やその他の胆汁うっ滞をきたす疾患などが知られている.
・ガラクトース-1-リン酸(Gal-1-P)ウリジルトランスフェラーゼ(GALT)欠損症(ガラクトース血症1型):新生児期早期から不機嫌,下痢,嘔吐などの消化器症状や体重増加不良などで発症し,低血糖,白内障,肝障害,凝固系異常,溶血性貧血などを呈する重篤な疾患であり,乳糖除去を行わなければ致死的である.
・早期診断され,治療,管理を行っても慢性期に精神神経症状や卵巣機能不全を生じることが知られており,長期にわたる管理が必要である.
・ガラクトキナーゼ(GALK)欠損症(同
関連リンク
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