治療のポイント
・新生児期の遷延性黄疸,思春期以降の高アンモニア血症において積極的に鑑別疾患にあげる.
・幼児期以降は食癖の聴取(高脂肪食を好み,糖質を嫌う)が診断に有用である.
・全年齢を通して高脂肪(特にMCTオイル)・低糖質食が治療に有用である.
・日本先天代謝異常学会では「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」を出版している.
●病態
・シトリンはミトコンドリア膜に存在するアスパラギン酸・グルタミン酸キャリアであり,欠損症では細胞質内でのNAD+の枯渇,NADHの蓄積により糖,アミノ酸代謝,尿素回路など代謝障害を生じる.
・シトリン欠損症は年齢依存的に2つの病態をとる(後述).
●治療方針
A.新生児・幼児期(胆内うっ滞期)
新生児マススクリーニングで発見されるものと,それ以降に遷延性黄疸で発見されるものとがある.胆道閉鎖症や新生児肝炎との鑑別が重要となる.大半の症例は軽快する