診療支援
治療

シスチン尿症
cystinuria
瀬戸俊之
(大阪市立大学大学院臨床遺伝学・准教授)

●病態

・シスチン尿症は腎臓の近位尿細管,小腸上皮でのL-シスチンおよび二塩基性アミノ酸の吸収障害によってもたらされる遺伝性尿細管輸送異常症である.

・2万人に1人の頻度で発症する.再発性の結石形成を特徴とし,尿路結石の1~2%を占める.通常10~30歳で発症といわれているが,乳幼児でも発症しうる.

・症状は血尿,腹痛,腰背部痛,尿路感染症状が中心である.

・診断は家族歴,尿路結石,尿中アミノ酸分析によるシスチン排泄増加の確認で行う(血中のシスチン値は正常).尿沈渣で黄褐色の六方晶を呈するシスチン結晶を認める.

・遺伝性やシスチン排泄量でⅠ~Ⅲ型に分類されるが,近年はSLC3A1SLC7A9など原因遺伝子が判明するに伴い,新たな分類も提唱されている.

●治療方針

 尿中シスチン濃度を低下させるために十分な水分摂取を行う(特に尿pHがより酸性に傾く夜間が重要).尿pH7.4以上のアルカリ化を目標に結石溶

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