診療支援
治療

遺伝性ポルフィリン症
porphyrias
野口篤子
(秋田大学大学院小児科学)

●病態

・ヘム合成にかかわる種々の酵素の異常によって,その中間代謝産物であるポルフィリン体またはポルフィリン前駆物質が蓄積することにより諸症状をきたす.

・急性ポルフィリン症では神経症状や消化器症状が急性~亜急性の経過で出現する.皮膚ポルフィリン症は日光過敏が主で,皮膚に蓄積するポルフィリンの光毒反応により生じる.

・根治治療はなく対症療法が行われる.

●治療方針

A.急性ポルフィリン症

 最初に発作誘因薬剤の有無を確認する.関連サイト(https://www.sakuratomonokai.com)も参照のこと.

 十分なブドウ糖補液は,尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)ポルフォビリノーゲン(PBG)の排泄促進およびカロリー補充の点で有用である.肝δ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)のダウンレギュレーションにより症状が緩和される.

 嘔気や疼痛,不眠,高血圧などに対し,制吐薬,鎮静薬,抗けいれん薬,

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