診療支援
治療

Lesch-Nyhan症候群(HPRT欠損症)
Lesch-Nyhan syndrome(HPRT deficiency)
中島葉子
(藤田医科大学小児科学・講師)

●病態

・Lesch-Nyhan(レッシュ・ナイハン)症候群は,プリン体のサルベージ経路であるヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)の先天的欠損が原因でプリン体合成が亢進し,高尿酸血症,精神発達遅滞,不随意運動,筋硬直,特有の自咬症などの自傷行為などの神経症状を呈するX連鎖性疾患である.

・HPRT欠損症の頻度は男児出生10万人に1人程度であり,大きく3つの病型に分類される.

 a)最も重篤なLesch-Nyhan病(LND:Lesch-Nyhan disease)はHPRTの完全欠損に起因し,乳児期早期より高尿酸血症,発育不良,発達遅滞,1歳を過ぎると不随意運動,2歳を過ぎると特有の自傷行為が出現する

 b)HPRT-related neurological dysfunctionはさまざまな程度の神経症状を呈するが,LNDに特有な自傷行為を認めない

 c)高尿酸血症

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